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“売れる組織”は、どのように作られるのでしょうか。

営業成果を安定的に生み出すには、個々の営業力だけでなく、目標を共有し、ナレッジを蓄積し、組織として成果につなげる仕組みが欠かせません。

ファインズでは現在、経営改革の一環として営業本部を再編し、目標設定や数値管理、コミュニケーション機会の増加、働き方の細かな改善に取り組んでいます。その中心にいるのが、外部から参画した執行役員 インサイドセールス本部長の島田理廣氏、第1営業本部長の山崎公大氏、そして第2営業本部長の槇敬輔氏です。

目指すのは、個人頼みではなく、組織として継続的に成果を上げられる営業体制です。営業本部の再編成は、ファインズをどのように変えようとしているのでしょうか。3名に話を聞きました。

営業組織はなぜ再編されたのか。見えてきた課題と改革の狙い

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——経営改革に伴い、これまで4つのチームに分かれていた営業本部が3つに再編成されたそうですね。それぞれの営業本部の役割を教えてください。

山崎:第1営業本部は、ファインズの主力商材のひとつである「Videoクラウド」の販売を中心に、新規顧客の開拓を行うチームです。当社とまだ接点のないお客様との接点を生み出す役割を担っています。

槇:第2営業本部は、すでにお取引のある既存顧客に対し、アップセル・クロスセルを通じて、「Videoクラウド」以外のサービスを中心に販売するチームです。既存のお客様との関係を深めながら、提供価値を広げていく役割を担っています。

島田:インサイドセールス本部は、おもにストック商材を中心に新規顧客の開拓を行っています。以前は、社歴の浅いメンバーがフィールドセールスへ進む前段階として、テレアポ業務を中心に担っていました。しかし現在は、アポイント獲得だけでなく、自ら商談も担当する体制へと変化しています。


——営業本部の再編成に至った理由はどのようなものでしょうか?

島田:大きな課題のひとつは、インサイドセールスチームの離職率の高さでした。入社間もないメンバーが中心で、テレアポ業務に特化した体制だったため、心理的・業務的な負担が大きくなりやすい構造だったと思います。

槇:経営改革で、ストック商材の売上を伸ばしていく方針が示されたことも、再編成の大きな理由です。新規開拓と既存顧客支援の役割を整理し、それぞれに最適化した組織にしていく必要がありました。


——離職率以外に、営業本部が抱えていた課題はありますか?

槇:ファインズがこれまで、2期連続で減収減益という結果を招いた一因として、新規顧客の獲得や既存顧客への提案を、組織として十分に伸ばしきれていなかった部分は大きいと感じています。離職などによる人員減少も要因としてありますが、それ以上に一人ひとりの生産性が上がるような体制が築けていなかった部分も原因です。

山崎:減収減益を経ても、従来の営業手法などからの脱却やアップデートができていない状態が続いていたと思います。

また、“組織力”にも課題がありました。個々の営業力はあっても、全員が同じ目標に向かって動いたり、ナレッジを共有して成果を高め合ったりするような“組織力”が十分ではなかったのです。

島田:1月にファインズに参画した際、私も同じ印象を持ちました。営業本部の目指すものが不明確で、計画も数値化されていないのです。それが、皆が同じ方向を向けず、生産性が上がっていかない原因だったと考えています。

外部の視点と現場の吸収力が、改革のスピードを上げる

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——こうした課題の解消に向けた具体的な取り組みを教えてください。

島田:まず着手したのは、中期目標の明確化です。例えば、単に「営業利益100億円を目指す」という数値目標だけでなく、現在のファインズの立ち位置や、将来的にどのような規模・方向性を目指すのかまで含めて整理しました。ゴールが明確になることで、新規顧客数や売上、ストック売上をどのようなペースで拡大していくべきかも見えてきます。

こうした改革は、早い段階で成果を示さなければ組織に定着しません。そのため目標設定後、営業本部全体ですぐに動き始めました。

山崎:1月に島田さんが参画し、体制を再編したことで、マネージャー層の意識も変化したように思います。以前よりも責任者自らが現場に出向き、新規案件の獲得に動くようになりました。マネジメントだけでなく、プレイヤーとして背中を見せる動きが増えた印象です。

槇:こうした動きが、メンバーのマネージャーに対する見方にも影響しています。全体的なモチベーションの底上げにつながっていますね。

また、制度や目標だけでなく、日々の働き方にも細かな改善を加えています。たとえば、休憩時間の導入もそのひとつです。以前は各自の判断で休憩を取るスタイルでしたが、朝礼・中礼に加え、1日のなかで2回の休憩時間を設けました。短い時間でもコミュニケーションが生まれますし、気持ちを切り替える機会にもなります。

山崎:実際に、コール数にも変化が表れています。モチベーションや生産性に寄与できていると感じますね。営業本部内で見直した項目は、細かいものまで含めると100を超えます。ここまで大規模に営業組織を見直したのは、これまでなかったのではないでしょうか。


——1月から参画した島田さんから見て、こうした組織改善をする上でのファインズの強みとなる部分はどこだと感じましたか?

島田:一番大きいのは、人の若さですね。

年齢という意味だけではなく、変化に対する柔軟性が高い。新しい考え方や仕組みを受け入れるスピードが速く、組織としての伸びしろを非常に感じています。

改革には、どうしても現場の負荷や変化への抵抗が伴います。しかしファインズには前向きに行動に移す力がある。それは大きな強みだと思います。

槇:実際、島田さんが参画してから改革の推進スピードは格段に上がったと感じています。

島田:ただ、それを実現できているのは、メンバーの吸収力や柔軟さがあってこそです。現場が変化を前向きに受け止めてくれているからこそ、想定以上のスピードで前に進めている感覚がありますね。

3〜4カ月で見え始めた、数字と組織の変化

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——今回の営業本部での改革は、すでに数字や社内の雰囲気に変化は表れていますか?

島田:すでにこの3〜4カ月で、獲得数や売上については明確に変わってきています。
とくにストック収益に関しては10倍、フロー収益についても毎月10%ずつ増えているという状況です。

離職者数も大きく減少しています。社内の雰囲気を見ていても、今後は「業務内容とのミスマッチ」といった理由を除けば、離職はかなり抑えられていくのではないかと感じています。

槇:これには、コミュニケーション機会が増えたことに加えて、マネージャー層との関係性の変化が寄与していますね。

以前よりも、マネージャーが積極的に現場へ出て、メンバーと同じ目線で動く機会が増えました。実際に成果を出す姿を見せることで、「一緒に頑張ろう」と感じる空気が生まれてきていると思います。

山崎:中期目標が設定されたことも大きいです。目指すべき地点が明確になることで、「同じ業務だけをやり続けるわけではない」「いずれステップアップのポイントがある」ということが認識できたのだと思います。

営業本部から、ファインズ全体へ広がる変化

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——営業本部で考えている、今後の展望などはありますか?

島田:今後は、営業本部が自分たちで直接商材を販売するだけではなく、より多くのパートナー企業と協業しながら、ファインズの商材を広げていく体制をつくっていきたいと考えています。

これまで培ってきた営業力を、自社だけで完結させるのではなく、外部との連携を通じてより大きく拡張していくイメージですね。

山崎:社内においても、営業という職種自体をさらに最適化していける余地があると考えています。

たとえば、役割をより分業し、それぞれが得意領域に集中できる体制を整える、などですね。こうした動きを柔軟に取り入れていくことで、一人ひとりの生産性や成果をさらに高めていけるはずです。


——今回の改革を通じて営業本部、そしてファインズをどんな組織にしていきたいですか?

山崎:一人ひとりが「こうしたほうがよい」「自分はこれをやってみたい」と感じたことを、きちんと言葉にできて、それが実際に形になっていく組織にしていきたいですね。

提案が自然に出てくる組織は、改善スピードも速くなりますし、結果として強い組織になっていくと思っています。

実際、コミュニケーションの機会が増えたことで、少しずつそうした空気は生まれてきています。だからこそ今後は、営業本部だけでなく、ファインズ全体として「挑戦や提案が歓迎される組織」を目指していきたいですね。

槇:社員の皆がここで働いていることを、友人や家族に誇れる会社にしていきたいと考えています。

そのために営業本部ができることはやはり売上を積み上げ、利益を伸ばしていくことです。こうすることで会社としても投資できる部分が増え、福利厚生などもより充実してくるのではないでしょうか。これが社員の働きやすさや会社の知名度につながる。そうした好循環をつくる一端を、営業本部も担っていければと思っています。

島田:ファインズは若いメンバーが多く、変化に対する柔軟性や吸収力が非常に高い会社です。だからこそ、これからは若いメンバーたちが、もっと主体的に活躍できる組織にしていきたいと思っています。

私は、経営会議などで決まったことだけが「会社の未来」として語られるべきだとは思っていません。現場レベルでも、「こういう会社にしたい」「こんな未来を目指したい」という考えを発信してよいと考えています。

現在、営業本部ではその動きが出始めています。この動きが営業本部だけでなく、ファインズ全体に波及していけば、会社としてもっと強く、面白くなっていくのではないでしょうか。

 

人材の定着、現場のモチベーション、成果の再現性、そして組織としての成長力。営業を取り巻く課題が複雑化するなかで、ファインズが進めているのは、単なる営業手法の見直しではありません。

一人ひとりが主体的に挑戦し、組織として成果を生み出し続ける“売れる組織”への変革です。営業本部で始まった変化は今、ファインズという会社そのものを少しずつ変え始めています。