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日本の企業の約98%を占める中小企業。一方で、その多くがいまだ「DXの波」から取り残されています。

そんな現状を打破するため、中小企業のDX支援に軸足を置き、時流に即したテクノロジーを活用したサービスで成長を続けてきた株式会社ファインズは、マーケティングと業務支援の双方を支える豊富なソリューションとその顧客基盤を強みに、DX格差の解消に挑んでいます。

今回は、代表取締役社長・三輪幸将氏に、多くの中小企業が直面する課題解決と自社の持続的成長を両立するための経営改革について伺いました。

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中小企業のDX遅れが招く、深刻な成長リスク

——日本企業の約98%を占める中小企業ですが、DXからは取り残されている印象です。現状をどのように見ていますか。

従業員100名以下の企業は、DXに取り組んでいない企業が53.1%にのぼります。対して、従業員数が1,000名以上の企業においては未対応がわずか3.9%。この差は歴然です。つまり、日本企業の約192万社以上が、DXに取り組めていないのが現状です。

DXへの取り組みが進まない理由のひとつは、「DXのメリットが見えにくい」と感じている企業が多いことです。

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世の中の多くのシーンでデジタル化が進む一方、アナログのままでもなんとか仕事が成り立っているため、DXに取り組む必要性を感じたことがないという企業が多く存在します。業務がある程度回っている状態だと、従業員から理解を得られないケースもありますね。

また、DXに取り組むにあたっての知識や情報、実行する人材が不足していることも大きな要因です。DXをしたほうがよいとわかっていても、中小企業ではDXやシステム運用を行う情報システム部門が設置されていないことがほとんどです。導入の手順や方法に関する知識がない、社内にDXを行ったり浸透させたりするスキルを持った人材がいないことが、DX推進の大きな壁になります。

——DXの遅れは、中小企業にとってどのようなデメリットをもたらすのでしょうか?

中小企業が抱える、人材確保や生産性の向上、受注拡大などの課題が、一層深刻化していくと考えています。

少子高齢化が進み、働き手が減少する中、企業は一人ひとりの生産性を伸ばしていかなければなりません。2000年以降、大企業ではDX化によって一人当たりの生産性が伸びている一方、中小企業は依然横ばいです。生産性が上がらなければ、売上や給与も伸びず、結果として人材も確保できない。仕事はあるのに人材不足で受注できないという悪循環に陥ります。このままでは、人手不足を起因とした倒産がさらに増加するおそれがあります。

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「DX潜在層」に寄り添う、3つの強み

——中小企業のDX化には課題が多いものの、現状を聞くとDX市場には大きな成長余地があると感じますが、いかがでしょうか?


実際、当社がターゲットとしている中小企業だけでも、2030年には1.4兆円以上の市場になると予測されています。今後、経営者の世代交代も進むなかで、DX化は避けて通れないテーマです。今から20〜30年先を見ても、まだまだ大きな伸びしろがあると感じています。

——ファインズが持つ、中小企業のDX市場に対する強みはどこにありますか?

おもに、
・DX潜在層を掘り起こすマーケティング力
・DXに対するコンサルティング的なアプローチ
・豊富なソリューションで行う複合的なサポート

この3つが当社の強みだと感じています。

多くの企業が大企業向けDX(9兆円市場)に注力するなか、ファインズはあえて中小企業市場に焦点を当ててきました。

この経験を生かし、あらゆる課題を抱えつつも、DXの必要性を十分に認識していない企業や、どう進めていいかわからないという企業に対し、DXの必要性などを丁寧に説明しながら、潜在的にDXが必要な中小企業にアプローチしています。

ソリューション導入後のサポート体制が手厚いのも、当社の大きな強みです。導入後も伴走する姿勢を大切にしています。

実際、顧客の方々から「ソリューションの導入後はサポートされないことも多いが、ファインズの場合は都度サポートや提案を受けられるのが嬉しい」という声もあります。

課題によって当社のソリューションを提案することもあれば、他社のソリューションやツールの導入支援を行うこともあります。

そして、当社は提供ソリューションが豊富なことで、顧客の方々が持つ課題に対して複合的にサポートできるという側面があります。求人や集客に関する課題に対し、動画やデータを活用したマーケティング支援を行うプラットフォームサービス「Videoクラウド」や、マーケティングに関するあらゆるデータを一元管理できる「Raise」をはじめ、従業員のリスキリングや研修をサポートするe-ラーニングサービス「F-Learning」、請求などの業務を自動化する「Quick Bill」など数多くのソリューションを抱えているため、事業に対する根本的な課題から局所的な課題まで対応できます。

各ソリューションの特長を活かし、先ほど話した人材確保、生産性の向上、受注の拡大という、中小企業の多くが抱えている課題に対してあらゆる方向からアプローチすることが可能です。

この3つの強みを活用して、顧客それぞれの課題やニーズに合わせて複合的なプランを提供し、伴走的なサポートを行っていくイメージですね。

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フローからストックへ。収益構造を変革する経営戦略

——とくに3つ目のソリューションの豊富さは、ファインズ自身の収益安定化にも寄与するものではないでしょうか。

そうですね。今回の経営改革にともなった、持続的な成長をしていくための戦略のひとつでもあります。

これまでの当社の売上の多くが、顧客企業のお困りごとに対して特定のソリューションを提供していくフロー型の収益モデルでしたが、今後はより安定的かつ、顧客の事業成長に貢献するため、複数のソリューションを組み合わせて、ストック型の収益基盤を築いていきます。これにより、提供価値の向上と顧客の事業成長が連動する、より強固なパートナーシップの構築を目指していきます。

現在、ストックによる約7,000社の継続取引顧客を、3万社まで増やすことを目標に、ご契約いただいたお客様への課題に応じたクロスセリングや新規開拓にも注力しています。営業手法に関してもプッシュ型の営業に加えて、プル型のセミナーの開催やWeb広告の活用を行って、中小市場を中核に中堅・大手市場へと顧客基盤の拡大に注力しています。

——AIを活用した取り組みも進めているそうですね。

まず自社でAIを積極的に活用し、成功体験をショーケースモデルとして顧客企業に展開していきます。

たとえば、社内で利便性を感じたSaaSツールを顧客企業に紹介するなど、”自分たちが使って良いと思ったものだけを勧める”というスタンスです。「自分たちが悩んでいることは、きっと多くの中小企業も悩んでいるのだろう」という考えを、提案の原点としています。

今後は、採用選考でAIマッチングを使用したり、契約書周りをAIで自動化したり、という活用を考えています。

テクノロジーを現場の追い風に。ファインズが描く未来とは?

——今回お話しいただいたような成長戦略を通じて、10年後に実現したい未来を一言で表すとしたら、どんな言葉になりますか?

まさに当社のパーパスにある「企業と地域社会の未来に、テクノロジーの追い風を。」という言葉に尽きると感じています。

中小企業の方々が抱える人手不足や生産性の課題に対して、当社のような企業がテクノロジーを通じてどれだけ寄り添って伴走できるか。それが、今後の中小企業の行く末を握る鍵であると同時に、当社の存在意義であると思っています。まずは掲げるパーパスをしっかりと実現させること、それを目指して進んでいきたいですね。

中小企業の課題を“自分ごと”として捉え、多様なソリューションとテクノロジーを通じて顧客とともに成長するファインズ。その取り組みは、中小企業だけでなく、日本が持続可能な成長をしていくことにも寄与してくれるのではないでしょうか。

地域経済の底上げと日本全体の生産性向上へ。ファインズは、その一歩を踏み出しています。

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